【稲田堤】鍼灸体験

特別活動として、新横浜にある呉竹鍼灸柔整専門学校の出張授業を受けました。
鍼や灸、聞いたことはあっても大人の私でも実際に見たことはありませんでした。高校生にとっても初めてです。

初めて見る鍼治療用の鍼は、思った以上に細くて簡単にくにゃっと曲がってしまうほど。だけど簡単には折れないように作られています。痛みがないように、だけど安全に工夫がされているようです。
まずはその扱いから教わりました。両手を使ってトントンと鍼枕に鍼を入れていく先生の手つきは、まさに職人技。
実際に生徒達も体験しました。硬さの違う4段階の鍼枕の、まずは一番柔らかい(人間のお尻レベル)から挑戦。柔らかくても鍼が曲がらないように真っすぐ刺すのは難しいようですが、全員クリア。次のBレベルは何人かがクリア。流石にCレベル(ガッチガチに凝り固まった部位レベル)はほとんど鍼が入りませんでした。
太さや長さが違う鍼でもチャレンジして、その使い勝手の違いを実感しました。

次にお灸。「お灸をすえる」という言葉は聞いたことがあるけど、こちらも触るのは初めて。
柔らかい繊維の塊のもぐさを、ほんの少しずつ使います。
お灸は2000年ほど前からある技術だそうで(中国の漢の時代!)、日本にはもう弥生時代ごろには伝わってきたようです。百人一首の「さしもぐさ」という言葉は出てきますよね。平安時代には一般的に使われていた、伝統的な東洋医学。温めて血流をよくする効果があるようです。
昔は火傷をするくらいの大きさだったようですが、今は火傷しない程度に小さく乗せるのだそう。
そしてその小さくひねるのが難しいようです。こちらも先生のお手本を見ます。丁度いい大きさと、大きすぎる大きさの違い、正直素人にはどっちも同じくらいに見えますが…というレベル。でも短時間でこの必要な大きさに小さくひねるのがプロの技。ササっと作って並べていきます。
生徒達も真似してひねります。上手に小さく量産できる子もいれば、大きくなりすぎちゃう子も。難しい~。

最後は実際に鍼体験。かたこりが酷いという先生が実際にやってもらいました。
最初に打った鍼は表面の筋肉だそうで痛みも全くなく、次に打った鍼はもっと深く刺しました。奥にある、首を支えたりして常に緊張している筋肉だそう。刺したまま肩を動かします。血流に刺激を与えて血管を拡張させ、老廃物を流すのだそう。こっちは痛かったようで、先生が「痛い」と言うと、笑ってはいけないと堪えるけどニヤニヤする生徒達(笑)。

この他にも、瘦せるためにはどのツボがいいとか、咳止めにはこことか。
鍼灸というとあくまで施術の技術的な側面に目が行きますが、そのベースにはきちんとした東洋医学の知識があってこそなんだと、その奥深さを知りました。
高齢化社会で役立つ医療系の職人技の世界、とても興味深いものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年06月20日